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中小企業向けコラム
作成日:2026.01.24
辻 光明

執筆者:辻 光明

代表税理士

iDeCo確定申告の書き方と節税効果|小規模企業共済も解説

10分で読めます
iDeCo確定申告の書き方と節税効果|小規模企業共済も解説

iDeCoや小規模企業共済の掛金は、原則として「小規模企業共済等掛金控除」として全額が所得控除です。ところが実務では「証明書は届いたが、確定申告書のどこに書くのか分からない」「年末調整に出し忘れた」という相談が多く、控除漏れが起きがちです。この記事では、確定申告での記入位置と、忘れたときの挽回手順を図解で解説します。

iDeCo・小規模企業共済の節税効果とは

そもそも「小規模企業共済等掛金控除」とは

iDeCo(個人型確定拠出年金)や小規模企業共済の掛金は、国税庁の定義上「小規模企業共済等掛金控除」に該当し、その年に支払った掛金の全額が所得控除になります(年末調整で控除した場合を除き、証明書の添付・提示が必要)。
出典:国税庁 No.1135「小規模企業共済等掛金控除」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1135.htm

図解(控除の効き方)
┌────────────┐
│ 掛金(iDeCo/小規模共済)│
└──────┬───────┘
↓(所得控除)
┌────────────┐
│ 課税所得が減る │
└──────┬───────┘
↓
┌────────────┐
│ 所得税・住民税の負担が軽く│
└────────────┘

節税額の目安(簡易早見)

節税効果は「掛金 × 税率(概算)」で見積もれます。実際には復興特別所得税や住民税、各種控除の状況で変動しますが、目安としては次のイメージです。

←横にスクロールできます→
年間掛金税率合計の目安(所得税+住民税)年間の減税目安
12万円(月1万円)20%2.4万円
24万円(月2万円)30%7.2万円
36万円(月3万円)40%14.4万円
ここがポイント
iDeCoは掛金上限が加入区分で異なります(例:自営業者等は月6.8万円など)。上限・対象者の整理は厚労省の概要が分かりやすいです。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/kyoshutsu/ideco.html

iDeCoの確定申告での書き方(図解)

準備するもの

  • 国民年金基金連合会等から届く「掛金払込証明書」(または電子的な控除証明書等)
  • 源泉徴収票(給与所得者の場合)
  • 申告方法(紙/ e-Tax)に応じた本人確認書類等

国税庁は、控除適用時に「証明書または電磁的記録印刷書面(2次元バーコード付き)」の添付・提示が必要と整理しています(年末調整で控除済みなら不要)。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1135.htm

記入箇所(第一表・第二表の関係)

図解(どこに書くか)

  • 第二表:内訳を書く(種類・金額)
  • 第一表:合計額を書く(控除欄)

┌──────────────┐
│ 第二表「小規模企業共済等掛金控除」│ ← 種類ごとに記入
└───────────┬──┘
↓ 合計
┌──────────────┐
│ 第一表「小規模企業共済等掛金控除」│ ← 合計額
└──────────────┘

国税庁の手引きでは、第二表の書き方として「保険料等の種類」「支払保険料等の計」「うち年末調整等以外」をどう埋めるかが明記されています。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2024/03/order3/3-3_11.htm

ステップで理解する(紙提出でもe-Taxでも同じ考え方)

Step 1: 証明書の年分と金額を確認
証明書は「その年に支払った掛金」が対象です。年分(例:令和7年分)と合計額を先に確定させます。

Step 2: 第二表に内訳を記入

  • 「保険料等の種類」:例)「個人型年金加入者掛金(iDeCo)」など、判別できる書き方にする
  • 「支払保険料等の計」:iDeCoの年間掛金
  • 「うち年末調整等以外」:源泉徴収票に反映されていない分(年末調整で未控除なら原則そのまま)

Step 3: 第一表に合計額を転記
第二表の合計が第一表に反映されるイメージです。

Step 4: e-Tax(作成コーナー)の入力位置を確認
確定申告書等作成コーナーでは、「小規模企業共済等掛金控除」画面の「支払掛金」欄に入力した合計が表示されます。
https://www.keisan.nta.go.jp/r1yokuaru/ocat2/ocat22/cid353.html

小規模企業共済の確定申告の書き方(iDeCoと同じ欄)

申告書の欄は同一。違いは「種類の書き分け」

小規模企業共済も、控除区分は同じく「小規模企業共済等掛金控除」です(国税庁No.1135)。
実務では、第二表の「保険料等の種類」を次のように分けておくと後日の確認が容易です。

  • 種類:小規模企業共済掛金(中小機構との契約分)/金額:年間掛金
  • 種類:個人型年金加入者掛金(iDeCo)/金額:年間掛金

※同一年で両方ある場合、第二表に2行で書き、第一表には合計を書きます。

制度の位置づけ(参考)

小規模企業共済は、廃業・引退等に備える共済として中小企業庁が制度案内をしています(制度理解の入口として有用です)。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyosai/index.html

iDeCoの年末調整を忘れた場合の対処法

ケース1:年末調整に出し忘れた(まだ確定申告前)

給与所得者でも、年末調整で控除できなかった分は確定申告で控除を取りにいけます。第二表の「うち年末調整等以外」を使う考え方がここで効きます。
(記入要領)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2024/03/order3/3-3_11.htm

ケース2:申告義務はないが、出し忘れで税金を払い過ぎた

確定申告義務がない人でも、控除漏れなどで源泉徴収税額が多い場合は「還付申告」ができ、原則として翌年1月1日から5年間提出可能です。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2030.htm

ケース3:すでに確定申告を提出した後に、控除漏れに気づいた

税額等が過大であった場合に訂正を求める「更正の請求」があります(原則、法定申告期限から5年以内など)。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/01.htm

ここがポイント
「忘れた」場合の最適解は、(1)まだ提出前なら申告書に反映、(2)提出後なら更正の請求、(3)申告義務なしで払い過ぎなら還付申告、の整理でほぼ判断できます。期限管理が最重要です。

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よくあるミスと確認ポイント

  • 家族名義の掛金を自分の控除に入れてしまう(国税庁手引きで「配偶者その他の親族が加入者の掛金は対象外」と整理)
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2024/03/order3/3-3_11.htm
  • 証明書の「年分」を取り違える(支払った年分のみ控除)
  • 年末調整で控除済みなのに、確定申告で二重計上する
  • e-Tax入力先を「社会保険料控除」と誤認する(作成コーナーは控除区分ごとに画面が分かれます)
    https://www.keisan.nta.go.jp/r1yokuaru/ocat2/ocat22/cid353.html

よくある質問

Q: iDeCoと小規模企業共済は、確定申告で別の控除欄ですか? ▼

A:

どちらも原則「小規模企業共済等掛金控除」です。第二表に種類と金額を分けて記入し、第一表に合計額を記入します(国税庁No.1135)。
Q: iDeCoの年末調整を忘れました。もう手遅れですか? ▼

A:

手遅れとは限りません。確定申告で控除を適用できます。申告義務がない人でも、払い過ぎがあれば還付申告として5年以内に提出できます(国税庁No.2030)。
Q: 控除証明書を紛失しました。どうなりますか? ▼

A:

控除適用には原則として証明書(または電磁的記録印刷書面等)の添付・提示が必要です。再発行手続や電子交付の有無は発行元で確認し、確定申告期限に間に合うように準備してください(国税庁No.1135)。
Q: すでに確定申告を出した後に控除漏れに気づきました。 ▼

A:

税額等が過大であった場合は「更正の請求」で訂正を求める方法があります。期限(原則5年など)に注意して手続を検討してください(国税庁 更正の請求手続)。

まとめ

  • iDeCo・小規模企業共済の掛金は小規模企業共済等掛金控除として原則全額が所得控除
  • 記入は「第二表で内訳→第一表に合計」の流れで整理すると迷いにくい
  • 作成コーナー(e-Tax)は「小規模企業共済等掛金控除」画面の「支払掛金」欄に入力
  • 年末調整に間に合わなくても、確定申告・還付申告・更正の請求で挽回できる場合がある
  • 二重計上・年分違い・名義違いが控除漏れ/誤りの典型。証明書と源泉徴収票の突合が重要

参照ソース

  • 国税庁「No.1135 小規模企業共済等掛金控除」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1135.htm
  • 国税庁「確定申告書等作成コーナー - 小規模企業共済等掛金控除(入力案内)」: https://www.keisan.nta.go.jp/r1yokuaru/ocat2/ocat22/cid353.html
  • 国税庁「手順3 所得控除(小規模企業共済等掛金控除の書き方)」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2024/03/order3/3-3_11.htm
  • 国税庁「No.2030 還付申告」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2030.htm
  • 国税庁「所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続」: https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/01.htm
  • 厚生労働省「iDeCoの概要」: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/kyoshutsu/ideco.html
  • 中小企業庁「共済制度」: https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyosai/index.html

この記事を書いた人

辻 光明

辻 光明

代表税理士

税理士 / 認定経営革新等支援機関

税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。

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