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中小企業向けコラム
作成日:2025.07.23
更新日:2026.01.02
辻 光明

執筆者:辻 光明

代表税理士

顧問税理士の費用相場と契約前確認ポイント完全整理|税理士が解説

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顧問税理士の費用相場と契約前確認ポイント完全整理|税理士が解説

顧問税理士の費用相場と結論

顧問税理士の費用相場は、事業規模と依頼範囲(記帳代行の有無、消費税、給与計算、資金調達支援など)で大きく変わります。中小企業・個人事業者では「月額顧問料+決算申告料+必要に応じた追加業務」が基本形で、契約前に「顧問料に含まれる範囲」と「追加料金の条件」を言語化できるかが成否を分けます。特に経営者にとっての悩みは、料金の妥当性よりも“どこまで任せられるのかが不透明”になりやすい点ではないでしょうか。
(編集方針・出力要件は本プロジェクトのルールに準拠しています:)

顧問税理士とは(できること・できないこと)

顧問税理士は、毎月または定期的に企業の会計・税務を見守り、申告・納税までを支える外部の専門家です。税理士業務として代表的なのは、税務代理・税務書類の作成・税務相談で、これらは税理士(税理士法人等)が行う業務として整理されています。

また、税理士制度は「申告納税制度の適正かつ円滑な運営」に資することを目的として設けられ、登録・監督などの枠組みが定められています。
「誰でも税務相談を請け負える」わけではないため、契約前に相手が税理士(または税理士法人)であること、登録の有無、担当者の体制は必ず確認しましょう。

ここがポイント
「顧問税理士=すべて丸投げで安心」とは限りません。経理の現場(領収書の整理、現金管理、請求・入金管理等)は社内の統制が土台で、税理士は“税務・会計の専門領域”を中心に責任を負う形が一般的です。

顧問税理士の費用相場(個人・法人の目安)

結論から言うと、顧問料の“相場”は一律ではなく、次の3軸で決まります。

  • 事業規模(売上、従業員数、取引量、拠点数)
  • 業務範囲(記帳代行・給与計算・年末調整・消費税・償却資産・資金繰り等)
  • コミュニケーション頻度(面談回数、訪問、オンライン、経営会議参加)

税理士法人 辻総合会計では、受任実務の感覚値として、次のレンジを「初回の目安」として提示することが多いです(地域・業種・難易度で変動します)。

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区分月額顧問料の目安(税務相談・基本確認)決算申告料の目安コメント
個人事業(小規模)15,000〜30,000円80,000〜200,000円記帳は自社入力が前提になりやすい
法人(小規模)25,000〜50,000円150,000〜300,000円消費税申告があると上振れしやすい
法人(中規模)50,000〜100,000円300,000円〜部門別管理・役員報酬設計等で変動

ポイントは、ここに「記帳代行」「給与計算」「年末調整」「償却資産」「税務調査対応」などが加算される設計が多いことです。顧問料だけで比較すると、後から追加費用で逆転するケースが見られます。

料金体系の違い(顧問料に含まれる範囲/追加料金)

料金体系は、大きく「月額顧問料(ベース)」と「スポット(都度課金)」に分かれます。契約前の最重要論点は、月額顧問料に何が含まれるかを、作業単位で合意できるかです。

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項目含まれやすい(例)追加になりやすい(例)
月次月次試算表のレビュー、簡易な税務相談、消費税の概算相談記帳代行、部門別集計、棚卸立会い
年次法人税(または所得税)申告、決算整理年末調整、法定調書、償却資産、税務署対応の範囲拡大
例外対応軽微な問い合わせ税務調査立会い、修正申告、資金調達支援、組織再編
ここがポイント
追加料金が発生しやすい代表例は「税務調査対応」「修正申告」「記帳の遡り修正」です。契約書で“顧問に含む/含まない”を明記し、上限(タイムチャージの上限や見積提示)を取り決めると、トラブルを大きく減らせます。

契約前に確認すべきポイント(チェックリストと手順)

契約前は、見積の金額だけでなく「将来の不確実性(追加・解約・引継ぎ)」を管理できるかが重要です。以下の手順で確認すると、抜け漏れが減ります。

Step 1: 依頼範囲を“作業”で棚卸しする
「税務相談」「申告」「記帳代行」のような言葉だけでなく、領収書・請求書の流れ、データ入力主体、締日、納期、クラウド会計の利用有無まで具体化します。ここが曖昧だと、費用も比較できません。

Step 2: 見積は“月次・年次・例外”に分けて提示してもらう
月額顧問料、決算申告料、年末調整等の年次業務、税務調査等の例外業務を分け、各々の前提条件(仕訳数、面談回数、資料提出期限)を書面で揃えます。

Step 3: 契約書で最低限の条項を確認する

  • 業務範囲と免責(何を前提に責任を負うか)
  • 報酬体系(追加料金の条件、値上げ条件)
  • 資料提出期限と遅延時の扱い
  • 守秘義務、個人情報管理、クラウド利用時の取扱い
  • 解約(解約予告期間、違約金、引継ぎ資料の範囲)
  • データ所有(会計データ・証憑の保管主体、返却方法)

税務の根拠法令は税理士法等に基づくため、「できる・できない」や義務の整理は法令理解とセットで確認すると安全です。

Step 4: 運用ルール(連絡・面談・レビュー)を決める
担当者との連絡手段、返信目安、月次の締め日、経営数値の報告形式(部門別・患者単価等)を決めます。数字の見え方を揃えると、顧問料の価値が上がります。

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よくある失敗例と回避策(注意点・リスク)

  • 失敗例1:顧問料は安いが、年次業務・例外業務が高額

    • 回避策:年次・例外を分離した見積、追加料金の上限(事前見積)を設定する。
  • 失敗例2:記帳の責任分界が曖昧で、決算間際に修正が多発

    • 回避策:入力主体、証憑提出期限、差異が出たときの修正ルールを合意する。
  • 失敗例3:解約時にデータ移管が進まず、次の税理士に引継げない

    • 回避策:会計データの管理者、バックアップ、エクスポート形式、引継ぎの範囲を契約書で明確化する。

なお、税理士は公正・独立な立場で職務を行い、制度としての監督や適正運営の枠組みも整備されています。 それでも「契約」そのものは民間取引なので、書面での合意が実務上の安全装置になります。

相場より重要な「選び方」(費用の妥当性を判断する軸)

費用の妥当性は、次の観点で判断すると合理的です。

  • 提案の質:節税“だけ”でなく、資金繰り・納税予測・社保・人件費まで一体で見てくれるか
  • 体制:担当者の固定、レビュー体制(属人化しないか)、繁忙期のレスポンス
  • 業種理解:クリニック、建設、ITなど、主要論点(消費税、給与、在庫、補助金)が噛み合うか
  • デジタル対応:クラウド会計、証憑の電子保存、データ連携(銀行・POS等)への理解
  • 透明性:見積前提と追加条件を明確に説明できるか(ここが最重要)

相場は参考値に過ぎません。「契約と運用が噛み合うか」を評価軸にすると、結果的に総コスト(時間・手戻り・税務リスク)が下がります。

よくある質問

Q: 顧問契約なしで、決算申告だけ依頼できますか? ▼

A:

可能な場合があります(いわゆるスポット決算)。ただし月次の確認がないため、資料不足・論点未整理があると工数が増え、結果的に費用が上がることがあります。まずは「決算に必要な資料が揃っているか」「記帳の整合性が取れているか」を確認しましょう。
Q: 顧問料が高い・安いの判断基準は何ですか? ▼

A:

月額だけでなく、年次業務(決算申告、年末調整、償却資産等)と例外業務(税務調査、修正申告)の料金・条件を含めた“年間総額”で比較するのが合理的です。顧問料に含まれる範囲が広い場合、月額が高く見えても年間では割安になることがあります。
Q: 途中解約するときに注意すべき点は? ▼

A:

解約予告期間、違約金の有無、会計データ・証憑の引継ぎ範囲、未処理業務(申告、年末調整)の精算方法を事前に確認してください。引継ぎが曖昧だと、次の税理士への移行コストが増えます。

まとめ

  • 顧問税理士の費用は「規模×依頼範囲×頻度」で決まり、月額だけでは比較できない
  • 顧問料に含まれる範囲と追加料金条件を、月次・年次・例外に分けて明確化する
  • 契約書では業務範囲、追加、解約、データ引継ぎを必ず確認する
  • 相場よりも「体制・透明性・業種理解・運用ルール」の整合が総コストを左右する
  • 不明点は見積前提を文章化し、認識ズレを契約前に解消する

参照ソース

  • 国税庁「税理士制度」: https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishiseido/seido2.htm
  • 国税庁「No.9203 税理士制度について」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9203.htm
  • e-Gov法令検索「税理士法」: https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000237

この記事を書いた人

辻 光明

辻 光明

代表税理士

税理士 / 認定経営革新等支援機関

税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。

ご注意事項

本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

税務・会計・法務等に関する具体的なご相談については、 必ず資格を持った専門家にご確認ください。 本記事の情報に基づいて行われた判断や行動により生じた損害について、 当事務所は一切の責任を負いかねます。

記事の内容は法令の改正等により変更される場合があります。 最新の情報については、関係省庁の公式サイト等でご確認ください。

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