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中小企業向けコラム
作成日:2026.02.08
辻 光明

執筆者:辻 光明

代表税理士

ひとり親控除 確定申告と寡婦控除の違い|税理士が解説

8分で読めます
ひとり親控除 確定申告と寡婦控除の違い|税理士が解説

ひとり親控除とは|確定申告で受けられる所得控除

ひとり親控除とは、一定の要件を満たす「ひとり親」が、所得税の計算で35万円の所得控除を受けられる制度です。年末調整で適用されない(または適用漏れ)場合でも、確定申告で手続きすれば適用できます。

制度のポイントは、「婚姻していない(または一定の生死不明)」だけでなく、事実婚状態がないこと、生計を一にする子がいること、そして合計所得金額が500万円以下であることです。該当するかの判定は、原則としてその年の12月31日時点の状況で行います。

なお、子の所得要件は制度改正により金額基準が動くことがあります。令和7年分からの取扱いとして「子の総所得金額等」の基準が見直される旨が公表されていますので、最新の基準で確認しましょう。

ひとり親控除の主な要件(整理)

  • その年の12月31日時点で、婚姻をしていない(または配偶者の生死が明らかでない一定の場合)
  • 事実上婚姻関係と同様の事情にある人がいない
  • 生計を一にする子がいる(子は一定の所得要件・他者の扶養に入っていない等の要件あり)
  • 合計所得金額が500万円以下
ここがポイント
給与所得者でも、年末調整で申告書(扶養控除等申告書等)の提出が間に合わなかった場合や、途中で状況が変わった場合には、確定申告で控除を取りに行くケースがよくあります。適用漏れは「追加納税」につながることもあるため、控除判定は年末に再確認するのがおすすめです。

寡婦控除とは|ひとり親控除との関係(併用不可)

寡婦控除とは、納税者自身が「寡婦」に該当する場合に受けられる所得控除で、控除額は27万円です。ポイントは、寡婦控除は「ひとり親に該当しないこと」が前提になっている点です。つまり、同じ年に両方を同時に使うのではなく、要件判定の結果としてどちらか一方が適用されます。

寡婦控除の主な要件(令和2年分以後のイメージ)

寡婦とは、原則としてその年の12月31日時点で「ひとり親」に該当せず、次のいずれかに当てはまる人です(事実婚状態がある場合は対象外)。

  • 離婚後に再婚しておらず、扶養親族がいる+合計所得金額が500万円以下
  • 死別後に再婚していない(または生死不明)+合計所得金額が500万円以下(この場合は扶養親族要件なし)
ここがポイント
「子がいる=必ずひとり親控除」とは限りません。子の所得要件や、子が他者の扶養に入っているか、事実婚状態がないかなど、判定は複合的です。迷う場合は、国税庁の要件をベースにチェックし、必要なら税理士へ相談しましょう。

ひとり親控除と寡婦控除の違い|比較表で一気に理解

両者の違いは「対象となる人の範囲」と「控除額」です。実務では、次の比較表で整理すると判断ミスが減ります。

←横にスクロールできます→
項目ひとり親控除寡婦控除
控除額35万円27万円
対象の中心子を扶養する未婚・離婚・死別等のひとり親(男女共通)ひとり親に該当しない「寡婦」
子(または扶養)の要件生計を一にする子が必要(子の所得要件等あり)離婚の場合は扶養親族が必要、死別等は扶養要件なし
所得要件合計所得金額500万円以下合計所得金額500万円以下
事実婚状態あると不可あると不可
併用不可(判定の結果どちらか)不可(ひとり親に該当しない場合のみ)

当法人(税理士法人 辻総合会計)でも、シングル世帯の申告相談で多いのは「年末調整で出し忘れた」「子の所得(アルバイト等)が想定より多かった」「別居・同居の生計要件の判断が難しい」といったケースです。控除は自動で付かない場面もあるため、確定申告での確認が重要です。

ひとり親控除の確定申告方法|e-Tax・作成コーナーの手順

確定申告での対応は、基本的に「所得控除(寡婦・ひとり親控除)」欄に該当区分を反映させることです。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使うと、画面案内に沿って入力でき、計算ミスを減らせます。

Step 1: まず該当判定(12/31時点)を整理する

  • その年の12月31日時点での婚姻状況(未婚・離婚・死別・生死不明)
  • 事実婚状態の有無
  • 子(または扶養親族)の状況(生計を一にするか、所得要件、他者の扶養か)
  • 自分の合計所得金額が500万円以下か

Step 2: 確定申告書等作成コーナーで「所得控除」へ進む

  • 収入・所得の入力後、「所得控除」の画面に進む
  • 「寡婦・ひとり親控除」の項目で該当する控除を選択(該当する方のみ)
  • 入力内容に応じて申告書の控除欄へ反映されます

Step 3: 必要に応じて家族情報(配偶者・親族に関する事項)も整える

  • 扶養親族の記載や、別居の場合の生計関係など、他の控除とも連動する情報は整合性が大切です
  • ひとり親控除の子の要件は「所得」や「扶養」情報と絡むため、入力の順序で迷ったら、作成コーナーのよくある質問も参照します

Step 4: 提出(e-Tax/書面)と控除適用の確認

  • e-Tax送信または印刷提出
  • 完成した申告書の「所得から差し引かれる金額」欄に、寡婦・ひとり親控除が反映されているか確認

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ひとり親控除の注意点|よくある適用漏れ・勘違い

  • 事実婚状態と判断されると対象外になり得ます(住民票の続柄だけでなく、実態で判断される場面があります)
  • 「子がいる」だけでは足りず、子の所得要件や、他者の扶養に入っていないこと等が必要です
  • 合計所得金額500万円以下の判定は、給与だけでなく、事業・不動産・配当なども含めて判定します
  • 年末調整で適用していても、年末時点で要件を満たさなくなった場合は、確定申告で調整が必要になることがあります

よくある質問

Q: シングルマザー(未婚)でも、ひとり親控除は受けられますか? ▼

A:

受けられる可能性があります。ひとり親控除は男女共通で、未婚・離婚・死別等の区分よりも、事実婚状態がないこと、生計を一にする子がいること、合計所得金額500万円以下などの要件を満たすかで判定されます。
Q: ひとり親控除と寡婦控除は両方使えますか? ▼

A:

同じ年に両方は使えません。寡婦控除は「ひとり親に該当しないこと」が要件の一部であり、判定の結果としてどちらか一方が適用されます。
Q: 年末調整で出し忘れました。確定申告で間に合いますか? ▼

A:

はい。年末調整で適用されていなくても、要件を満たすなら確定申告で所得控除として反映できます。国税庁の確定申告書等作成コーナーを使うと、入力案内に沿って対応できます。
Q: 子どもがアルバイトをしていて、控除の対象か不安です。 ▼

A:

子の所得が一定額を超えると要件から外れる場合があります。制度改正で基準額が変わることもあるため、該当年分の国税庁情報で最新の基準を確認してください。迷う場合は、源泉徴収票や給与明細をもとに所得計算から確認すると確実です。

まとめ

  • ひとり親控除は35万円、寡婦控除は27万円の所得控除
  • 寡婦控除は「ひとり親に該当しない」ことが前提で、両方の併用は不可
  • 判定は原則としてその年の12月31日時点の状況で行う
  • 確定申告では「寡婦・ひとり親控除」欄に反映されているか最終確認が重要
  • 子の所得要件などは改正で基準が動くため、申告年分の公表情報で確認する

参照ソース

  • 国税庁「No.1171 ひとり親控除」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1171.htm
  • 国税庁「No.1170 寡婦控除」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1170.htm
  • 国税庁「確定申告書等の作成(令和7年分 確定申告特集)」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/kakushin-sakusei/

この記事を書いた人

辻 光明

辻 光明

代表税理士

税理士 / 認定経営革新等支援機関

税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。

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