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中小企業向けコラム
作成日:2025.02.22
更新日:2026.01.02
辻 光明

執筆者:辻 光明

代表税理士

租税公課で経費になるもの・ならないもの一覧|税理士が解説

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租税公課で経費になるもの・ならないもの一覧|税理士が解説

租税公課とは、事業に関して負担する税金や行政上の負担金等を処理する科目です。結論として、租税公課は原則として経費(損金・必要経費)になりますが、法人税等の本税や延滞税・加算税・罰金など「制裁的な性格」のものは経費になりません。特に、決算・確定申告の現場では「どこまでが経費か」「いつの期に落とすか」で迷いが生じ、誤ると修正申告や税務調査での否認につながります。

租税公課とは何か(定義と間違えやすいポイント)

租税公課は大きく「租税(国税・地方税)」と「公課(公的な賦課金・負担金・手数料など)」に分かれます。会計上は一括で「租税公課」に入れていても、税務上の経費可否は中身で判定します。

当法人(税理士法人 辻総合会計)では、30年以上にわたり中小企業・クリニック等の申告・決算支援を行っていますが、よくある相談の上位は「住民税や延滞税を租税公課で落としてよいか」「税金の計上時期が分からない」です。ここを押さえるだけで、申告精度が大きく上がります。

ここがポイント
「租税公課に入れている=税務上も経費」という意味ではありません。勘定科目は会計の分類、経費可否は税法の判定です。決算前に“中身チェック”を入れるのが安全です。

租税公課で経費になる・ならないもの一覧(法人・個人)

まずは実務で頻出する項目を、法人(損金)・個人事業(必要経費)に分けて整理します。ポイントは、法人税等の本税は損金不算入、そして延滞税・加算税・罰金は原則として経費にならないことです。

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項目(例)法人:損金算入個人事業:必要経費実務ポイント
事業税(法人事業税・個人事業税)なるなる申告納税方式。原則「申告書提出の期」で判定するのが基本
固定資産税・都市計画税なるなる賦課課税方式。原則「賦課決定の期」。実務は納付時に未払計上も多い
自動車税・軽自動車税(事業用)なるなる事業用車両に限る。家事按分が必要なことが多い
不動産取得税(事業用資産)なるなる資産計上と絡むため、取得原価算入するかの検討が必要
登録免許税(登記・担保設定など)なる(費用or資産)なる(費用or資産)登記の目的により「支払手数料」「租税公課」いずれでも可。資産計上のケースあり
印紙税(契約書・領収書)なるなる収入印紙は代表例。貼付漏れは過怠税リスク
住民税(個人の住民税)該当なしならない生活費。個人事業の住民税は必要経費不可
法人税・地方法人税ならない該当なし法人税等の本税は損金不算入
法人住民税(都道府県民税・市町村民税)の本税ならない該当なし「均等割」も含めて原則損金不算入の扱いが基本
延滞税・延滞金、加算税・加算金、過怠税原則ならないならない制裁的性格。例外的に地方税の納期限延長に係る延滞金は別扱いあり
罰金・科料・過料、交通反則金ならないならない会社が立替えても、原則として経費にならない(給与課税になる場合も)
ここがポイント
消費税(課税事業者)の処理は経理方式で見え方が変わります。税込経理では費用に含まれ、税抜経理では「仮受・仮払消費税」として処理し、原則として租税公課には載りません。どちらの方式かを先に確認してください。

「経費になるか」を迷ったときの判断手順

一覧にない項目やイレギュラーな請求が来たときは、次の順番で判断するとブレません。

Step 1: それは「本税」か「ペナルティ(制裁)」かを分ける

延滞税・加算税・過怠税、罰金・過料はペナルティ寄りです。ここは最初に切り分けます。

Step 2: 支払先が国・自治体等であっても、実態が「手数料」かを確認する

許認可申請手数料、証明書発行手数料などは、租税公課または支払手数料で処理されます。重要なのは「事業に必要な支出か」です。

Step 3: 法人・個人で論点が変わる項目をチェックする

個人の所得税・住民税は必要経費になりません。一方、事業税や固定資産税は事業に関係する範囲で経費になります。

Step 4: いつの期に計上するか(計上時期)を決める

計上時期は「賦課決定・申告提出」が基準です。未払計上をするか、納付基準で処理するかは実務設計の範囲ですが、税法の基本ルールを外さないことが重要です。

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計上時期と仕訳の実務(よくある仕訳例)

国税庁の整理では、租税の損金算入時期は課税方式ごとに考えます(申告納税方式・賦課課税方式など)。実務での頻出パターンを例示します。

  • 固定資産税(賦課課税方式)

    • 賦課決定の通知が来た期に未払計上する例
      (借)租税公課/(貸)未払金
    • 納付時
      (借)未払金/(貸)普通預金
  • 事業税(申告納税方式)

    • 原則、申告書を提出した事業年度で計上(更正等があればその事業年度)
  • 印紙税(都度発生)

    • 収入印紙購入時または使用時に計上(運用を統一)
  • 交通反則金(会社立替)

    • 原則として経費にならないため、役員・従業員から回収(立替金)する運用が安全
      (借)立替金/(貸)普通預金
      回収時:(借)現金/(貸)立替金

よくある質問

Q: 租税公課と支払手数料の違いは何ですか? ▼

A:

どちらでも処理され得ますが、税金(租税)や公的な賦課金は租税公課、申請・証明などの「役務の対価」色が強いものは支払手数料で処理されることが多いです。重要なのは科目名よりも「経費性(事業関連性)と税務上の可否」です。
Q: 延滞税や加算税を租税公課で処理してしまいました。どうなりますか? ▼

A:

会計上は租税公課に入っていても、税務申告で損金(必要経費)から除外する調整が必要です。決算前に科目内訳を点検し、ペナルティ性のある支払が混在していないか確認してください。
Q: 個人事業主ですが、住民税や所得税は経費になりますか? ▼

A:

いずれも原則として必要経費になりません。事業に関係する税(事業税、固定資産税、自動車税など)と混同しやすいので、支払内容の内訳で管理するのが実務的です。

まとめ

  • 租税公課は原則として経費だが、内容により否認されるものがある
  • 法人税・地方法人税、法人住民税の本税は原則として経費にならない
  • 延滞税・加算税・罰金・過料・交通反則金は原則として経費にならない
  • 事業税・固定資産税・印紙税などは、事業に関係する範囲で経費になりやすい
  • 計上時期は「申告提出」「賦課決定」を軸に、未払計上の運用を統一する

参照ソース

  • 国税庁「No.5300 租税公課等の損金算入の可否と租税の損金算入時期」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5300.htm
  • 国税庁「法人税基本通達 第6款 罰科金(9-5-12 ほか)」: https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_05_06.htm
  • 国税庁 確定申告書等作成コーナー「よくある質問:租税公課」: https://www.keisan.nta.go.jp/r4yokuaru_sp/socat3/socat33/scid046.html

この記事を書いた人

辻 光明

辻 光明

代表税理士

税理士 / 認定経営革新等支援機関

税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。

ご注意事項

本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

税務・会計・法務等に関する具体的なご相談については、 必ず資格を持った専門家にご確認ください。 本記事の情報に基づいて行われた判断や行動により生じた損害について、 当事務所は一切の責任を負いかねます。

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