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中小企業向けコラム
作成日:2024.04.15
更新日:2026.01.15
辻 光明

執筆者:辻 光明

代表税理士

補助金・助成金の違いと申請方法【2026年最新】|税理士が解説

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補助金・助成金の違いと申請方法【2026年最新】|税理士が解説

補助金・助成金の違いは「採択型か要件型か」です

補助金・助成金はいずれも返済不要の公的資金ですが、最初に押さえるべき結論は「補助金は採択(審査)で競争」「助成金は要件を満たせば支給される設計が多い」という点です。
経営者にとっての課題は、制度の呼び名ではなく「いつ・何を・どの順番で準備すれば、資金化まで到達できるか」が見えにくいことではないでしょうか。
本記事では、補助金・助成金の違いを実務目線で整理し、2026年時点での申請フローと失敗しやすい落とし穴を解説します。

補助金とは?対象・目的・向いている事業

補助金は、国や自治体が政策目的(生産性向上、設備投資、DX、新規事業など)に沿う取り組みに対して、経費の一部を補助する制度です。
多くは「公募」→「審査」→「採択」→「交付決定」→「事業実施」→「実績報告」→「精算(入金)」の流れで進みます。
重要なのは、申請した時点で入金が確約されるわけではなく、採択後も交付決定で経費の妥当性が見られる点です。

補助金が向くケース

  • 設備投資やシステム導入など、投資額が大きく事業計画で効果を説明できる
  • 補助対象経費(機械装置、IT、外注等)を見積・契約・支払まで適正に管理できる
  • 申請締切と事業期間に合わせ、社内リソース(または支援者)を確保できる

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補助金・助成金の会計処理|収益計上タイミングを税理士が解説

助成金とは?対象・目的・向いている取り組み

助成金は、雇用・人材育成・職場環境の改善など、一定の政策要件を満たした取り組みに対して支給される制度が中心です。
特に「雇用関係助成金」は、共通の申請様式や申請先の案内が整備されており、要件充足の設計が明確です。
ただし、要件を満たしていても「手続きの順番違い」「書類不備」「支給要領と運用のズレ」で不支給になる典型例があるため、実務は慎重さが必要です。

助成金が向くケース

  • 雇用維持・人材育成・制度整備など、取り組みの要件が定型化しやすい
  • 就業規則・労使協定・出勤簿・賃金台帳など、労務書類を整備できる
  • 取り組み開始前に、申請タイミングと提出先を確認できる

補助金・助成金の違いを比較(2026年版)

違いを一言で言えば、補助金は「政策に合う優れた計画を選ぶ」、助成金は「要件を満たした実施を後押しする」という思想です。
その結果、資金化までの不確実性、必要書類、スケジュールの組み方が変わります。
下表で実務上の差を整理します。

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比較項目補助金助成金
目的投資・成長・変革を促す(設備、DX、新規事業等)雇用・人材育成・職場環境の改善等
支給方式採択型(審査・採択がある)要件型(要件充足が中心)
主な難所事業計画の説得力、加点要素、採択後の経費管理手続きの順番、労務書類、運用要件の網羅
入金タイミング事業後の精算が多い(後払いが基本)取組後の支給申請が多い(後払いが基本)
申請窓口電子申請(Jグランツ等)+事務局運用労働局等への申請(制度ごとの運用)
不採択/不支給の典型目的不一致、効果の根拠不足、見積・証憑不備事前手続き漏れ、賃金/出勤簿の不整合、期限超過
ここがポイント
補助金・助成金とも、資金は「入ってくるもの」ではなく「取りに行くもの」です。特に後払いが基本のため、立替資金(自己資金・融資・リース等)の設計がないと、採択・承認されても資金繰りが詰まります。

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補助金・助成金の会計処理|収益計上タイミングを税理士が解説

補助金・助成金の会計処理は「いつ収益計上するか」で決算・税額が変わります。交付決定、確定通知、入金のどこで計上するかを、資産取得型と運転資金型に分けて仕訳例付きで整理します。補助金・助成金はどちらも国や自治体等から受ける給付ですが、会計処理で迷う原因は「制度ごとに支給条件と手続きが違いについて詳しく解説します。

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申請方法の全体像(補助金:Jグランツ/助成金:制度別申請)

2026年時点で、国の補助金は電子申請(Jグランツ)を前提とするものが増えています。
一方、助成金は制度ごとに申請先・提出方法が定められているため、「どこに、いつ、何を出すか」を先に固定することが近道です。
ここでは、よく使う全体フローをステップで示します。

補助金(Jグランツ)申請の基本ステップ

Step 1: 公募情報を確認する(対象・締切・補助率・要件)
募集期間は短いことが多く、準備の遅れがそのまま機会損失になります。まず公募要領の「目的」と「補助対象経費」を読み、事業が合っているかを判断します。

Step 2: 事業計画を固める(投資内容と効果を数値化)
売上・原価・人員計画、投資回収、工程表を用意し、政策目的に沿うストーリーにします。加点要素(賃上げ、DX、地域等)がある場合は、実行可能性を含めて整合させます。

Step 3: 電子申請の準備(アカウント・添付書類・見積)
Jグランツでの申請にはアカウント準備が必要です。添付書類は「様式」「見積」「根拠資料」に分かれるため、版管理(最新版の統一)を徹底します。

Step 4: 採択後の手続き(交付申請→交付決定→発注・支払)
採択はゴールではなく通過点です。交付決定前に発注すると補助対象外になるなど、手続き順序が資金化を左右します。

Step 5: 実績報告・精算(証憑と成果の突合)
領収書だけでなく、契約書、検収、支払記録、成果物などを一貫して保管し、実績報告で説明できる状態にします。

助成金(雇用関係助成金)申請の基本ステップ

Step 1: 該当する助成金を特定し、開始前要件を確認する
助成金は「実施前に届出・計画提出が必要」なものがあります。開始後に気づくと手遅れになりやすい領域です。

Step 2: 労務書類の整備(就業規則・労使協定・台帳類)
支給審査は、取り組みの実態が書類で再現できるかが焦点になります。出勤簿・賃金台帳・雇用契約の整合を先に確認します。

Step 3: 取り組み実施→支給申請(期限と様式を厳守)
共通様式が用意されているものもありますが、制度別の添付が追加されることが多いため、提出前にチェックリスト化します。

ここがポイント
よくある不支給原因は「期限超過」「順番違い」「証憑の弱さ」です。制度の趣旨に合う取り組みをしていても、書類と手続きが追いつかなければ資金化できません。

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キャッシュフロー計算書の見方と資金繰り表の作り方|税理士が解説

不採択・不支給を避ける実務ポイント(税理士の現場感)

当法人(税理士法人 辻総合会計)では、医療・クリニック系を含む中小企業の資金施策について、計画策定から経理・証憑整備まで一体で支援するケースが多くあります。
現場でつまずきやすい論点は、制度の難しさというより「社内の運用設計」に集中します。
ポイントを絞って整理します。

1) 「締切」ではなく「着手日」から逆算する

補助金は締切日に間に合っても、見積取得・計画作成・添付資料の整合が取れないと審査で落ちます。
助成金は着手前の手続きがあるため、締切よりも「開始日」の管理が重要です。

2) 証憑は“領収書だけ”では足りない

補助金は、契約→発注→納品→検収→支払の一連が追えることが求められます。
助成金は、勤務実態・賃金支払・制度運用を台帳類で説明できることが核心です。

3) 資金繰り設計を先に決める

補助金・助成金は後払いが多く、入金まで数か月〜1年以上かかることもあります。
自己資金、融資、リース、分割導入など、立替期間を耐えられる設計が不可欠です。

4) “申請書の体裁”より“整合性”を最優先

数字の整合(計画、見積、資金計画、会計処理)が崩れると、審査でも実績報告でも破綻します。
文章の上手さより、根拠の一貫性を重視してください。

よくある質問

Q: 補助金と助成金は同時に申請できますか? ▼

A:

原則として制度が異なれば同時申請は可能な場合があります。ただし、同一の経費・同一の取り組みに重複して公的資金を充当できない(二重取り禁止)設計が一般的です。公募要領・支給要領で「併給調整」を必ず確認してください。
Q: 採択されたのに入金されないことはありますか? ▼

A:

あります。補助金は採択後に交付申請・交付決定があり、経費の妥当性が認められないと補助対象から外れます。また、実績報告で証憑不足や手続き違反があると精算額が減る、または不交付となるリスクがあります。
Q: 申請は自社だけでできますか?専門家は必須ですか? ▼

A:

自社申請は可能です。もっとも、補助金は事業計画・加点要素・証憑設計まで含めた“プロジェクト管理”が必要で、助成金は労務書類と手続き順序の統制が要です。社内に担当者・時間が確保できない場合は、税理士や社労士等の支援でリスクを下げられます。

まとめ

  • 補助金は採択型で競争があり、助成金は要件型で手続き順序が重要
  • どちらも後払いが多く、立替資金と資金繰り設計が成否を分ける
  • 補助金は「交付決定前の発注」など手続き違反に注意し、証憑を一連で残す
  • 助成金は開始前要件・台帳整備・期限管理が最重要
  • 個別の制度要件は年度で変わるため、公募要領・支給要領を最新で確認する

参照ソース

  • 中小企業庁「補助金の公募・採択」: https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/index.html
  • デジタル庁「Jグランツ」: https://www.jgrants-portal.go.jp/
  • 厚生労働省「雇用関係助成金の申請にあたって」: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index_00018.html

この記事を書いた人

辻 光明

辻 光明

代表税理士

税理士 / 認定経営革新等支援機関

税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。

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